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2008年12月 8日 (月):津軽の夜

アンキモ、生ウニ、胡麻豆腐。こっくり、ねっとりとしたこれらの食品に、割り箸を突き刺すとどうなりますか? 割り箸が水分を吸い込んで、ぷるぷる感がいくらか失せるような気がしませんか?
そんなわけで、割り箸をやめました。いろいろ試したあげく、「津軽塗り」に落ち着いて、手製の箸袋に包み、持ち歩いております。

するとですねえ、言われるのですよ。「マイ猪口は持ち歩かないの?」。そうだよなあ。先日、柏の立ち飲み居酒屋で、「八海山」を八海山のロゴ入りグラスで飲みつつ、あらためて思いました。
そんなわけで、津軽ご出身の某様にご紹介いただいたギャラリーに行き、腹を割って話しました。
「外出先でも、作家もののお気に入りの酒器で飲みたい。かといって、持ち歩きをためらう金額では困る。そのあたりの按配よろしい作品はごさせいませんか?」
ギャラリーのオーナー様が「だったらこれを」と、棚の奥から取り出してくださったぐい飲みに一目ぼれ。早速連れて帰り、専用の衣装を縫い上げました。この布は、私の著書の三十冊目刊行記念食事会@銀座KIHACHIを宝井琴梅先生はじめ皆様にお祝いしていただいたとき、マラソン仲間のお姉さまが、プレゼントしてくださったもの。ぐい飲みの衣装として、二度目のお勤めをお願い申し上げました。これからは、いつも一緒だよ。

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試運転を経て、本格的なデビューは、やはり「津軽」でしょう。映画のロケにも使われ、もはや「伝説の」という冠をつけても違和感のない、津軽料理の名店で、お披露目です。キノコの下ごしらえから、生タラをさばくことまで、すべて女将の手作り料理。至福のとき。目の前も、隣も、もちろん女将も、みんな津軽の方々。話題は来年の「津軽ツアー」。某師匠には、津軽のりんごをいただきました。
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お酒は「豊盃」シリーズのアレコレなのですが、写真を撮り忘れたよ。何しろ今宵は、マラソン準備モードで、ほとんど飲みませんでしたので。特筆すべき①「むしほたての黄身がけ」②「鮭のすくめ(氷頭なます)」③「舞茸、なめこ、さもだし、本しめじのおろし」④「大鰐産もやしいため煮」。
さらに「平目の昆布じめ」も絶品。あと少し締まりすぎたら、昆布の味が前面に出すぎるし、あと少し足りなければ、平目の身のぷにょぷにょ感が邪魔になる。まさに間一髪、最高の締まり具合でございました。そして「真鱈のじゃっぱ汁」! コラーゲンたっぷりのヒレやらビラビラやら、骨をしゃぷって食いつくし。味のしみこんだ大根、にんじん、ネギもたまりません。
いいなあ、津軽。まずは、あの「遮光器土偶」を見てみたい。博物館のある「木造(きづくり)」という駅は、駅舎が巨大な遮光器土偶におおわれていて、特急列車が停車するたび、目がビカビカと光るそうです。司馬遼太郎先生は、『街道をゆく』シリーズ「北のまほろば」で、わざわざ「木造駅の怪奇」と題した文章をつづっておられます。
[夜はライトアップされるというこの巨大遮光器土偶を見て、この巨像に耐えている町のひとびとの度胸のよさを思った]
度胸なら自信がございます。ぜひ、耐えに行きたいものです。

かくて、夜はふけゆく。ほとんど飲まず、カラオケも歌わず、タクシーにも乗らず。が、最寄り駅に到着したら、12時近く。こんなに遅いのだったら、防犯のため、タクシーに乗るんだった。警戒モードに入りつつ、改札を抜けたとたんに「今、帰り?」と声をかけてくださったのは、同じマンションの住人でした。近所づきあいのある、ありがたさ。

ところで、マイぐい飲みの作者ですが。このカラスを見れば、わかる方にはわかるはず。鈴木五郎先生でございます。これって、かなりのぜいたくです。そして気がついた。飲みすぎ防止になりますね。だって忘れたり、割ったりしたら、たいへんだもの。


12月 8, 2008 日本酒 |

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