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2009年3月12日 (木):打ち上げは桟敷で

ここ数日、かかりきりだった仕事のラスト送信を朝七時にすませ、卵色の小紋に明つづれの帯のよそ行き姿で新橋演舞場へ。弥生花形歌舞伎「ひとりたびごじゅうさんつぎ」を、優雅に桟敷席から観覧です。
同行は「私のいちばん古い友だち」。桟敷席の特権「個室スタイル」と「テーブル」と「ポットのお茶が飲み放題」を見てとるや、まずはお弁当を買いに走りました。
市川右近さんの宙乗りあり、十五役の早替りあり。圧巻は、本物の水がドードーと流れる滝の場面で、びしょ濡れになりながらの大立ち回り。派手でスピーディーでコミカルでと、歌舞伎ならではの楽しみにあふれた作品でした。

筋立ては「二つの家宝をめぐって、敵と味方が入り乱れつつ、京都から江戸までの東海道を旅していく」という、ロードムービー・スタイル。合間に化け猫騒動や道ならぬ恋の道行き、狂言回し役の女二人旅など、エンターテインメント性を高めるエピソードが次々に挿入されます。

さて、我らが「市川弘太郎」さんは、水色の着物に袴、キリリと鉢巻をしたみずみずしい若武者姿で登場。凛々しく、初々しく、さわやかで、実にお似合いです。

見せ場も出番も多い、重要な役どころ。それだけに、難しい役だと思います。弘太郎さん演ずる石井半次郎が登場すると、観客は「ああ、本筋に戻るんだな」と思います。女二人旅が「定額給付金」や「未曾ゆう」で笑いをとった後で、舞台をキリリと引き締めて、観客の気持ちを本筋に戻すという、そんな役割を担っての登場なのです。
そしてまた、滝の場面でのずぶ濡れの立ち回りが最高潮に盛り上がった幕切れや、大勢の捕り方に囲まれながら、危うく窮地を脱する場面などでは、主役と一緒に見えを切る。
重責をお見事に果たしての舞台に引き込まれ、目を丸くしたり、口をパカッと開けたり。いかにも歌舞伎らしい、かぶきにかぶいた楽しみを味あわせていただきました。

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終演後の楽屋で、「いちばん古い友だち」と「とても新しい友だち」である弘太郎さんをお引き合わせしたあと、興奮さめやらぬまま、近くのカフェで一時間のおしゃべり。それから銀座まで歩いて「ミキモト」で自分へのごほうびを買い、帰宅して、一息ついて。
長い一日だったなあと寝ようとしていたら、銀座のバーより某様から意味のない電話が。眠気が覚めてしまったので仕方なく、新大久保までタクシーを飛ばし、アカスリで極楽にひたり、キムチと豚足を買い込んでのご帰還となりました。


3月 12, 2009 古典芸能 |

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