講演をするときには、「マクラ」に相当する導入部で、軽く笑いをとることにしています。場をなごませ、私もリラックスできるから。
ただ話すだけでは、一方通行。聴衆の皆さんに、ちゃんと伝わっているか? ニーズに応えているか? 「笑い」という反応をいただくと、「何とかなるかな」と安心できるのです。
私なりのコツがいくつかあり、たとえば「視界が黒くなったら要注意」、「後ろすぎず、前すぎもしない列をチェックせよ」。意味は企業秘密。
講演の前は、緊張するどころか、楽しくてたまりません。前夜に「導入で何を話そうか」と考えていると、嬉しくて、楽しみで、ワクワクして、眠れないほどです。
なのに、なあ。なぜ落語では、なかなか笑いがいただけないのでしょうか。
聴衆のモチベーションとも関係があるでしょう。講演の聴衆は、私という人間が、どんなテーマについて話すかを熟知した上で、いらっしゃってくださいます。何かを得ようというモチベーションがあります。
しかし落語では、私は添え物。トンカツに添えられたキャベツの、さらに添え物のパセリ。お刺身のツマの紫蘇の穂の軸。紅茶に添えられたレモンの種。
聴き手の方々は、私に何も期待していないし、「さあ、笑うぞ!」という心構えもしていただけない。しかも、講演歴は十数年ありますが、落語家修業は一年ちょっと。まだまだ~は当然と言えましょう。
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/183502/45015379
この記事へのトラックバック一覧です: 笑いのツボの不思議:










