不可思議な招待状を受け取りました。日本に来ている外国人特派員記者を対象にした、利き酒会です。ご案内にある銘柄を、行きつけの酒屋さんたちに見ていただきましたが、皆さん「大半は飲んだことがない」とおっしゃる。ともあれ案内状には「多数、試飲できます」の一文が。行ってみるしかないでしょう。
会場は「日本外国特派員協会 メディアルーム」。会場には、広島県東広島市の「西条酒造協会」のお酒が、ズラリと並んでおりました。
こういう会は、「会場の真ん中に、ビュッフェスタイルの料理(その地方の伝統料理アリ)、壁を背にして各蔵元が、それぞれの醸したお酒を前に、待機している」というスタイルが多いように思いますが、今回も、そうでした。つまり。さまざまな蔵元の出店が、まるで新宿ゴールデン街のように連なり、はしご酒ができるという、素晴らしい状況です。
西条の町には、多数の蔵元が存在するそうです。印象的だったのは、今回、東京に来ることができなかった蔵元のお酒を、別の蔵元の方が「若いメンバーが、とても頑張っている。ぜひ応援してほしい。ヨロシクお願いします」とおっしゃったこと。ウチが、ウチだけが~ではなく、ご近所の蔵元に対して仲間意識を持つという環境は、素晴らしいにちがいありません。
前半の一時間は、利き酒に徹しました。出品されていた18の銘柄のリストに、私なりの評価を書き込ませていただきました。でもまあ、そろそろいいかなあ。蔵元さんたちの会話も、微妙に変化します。
「利き酒モードですか? それとも飲みモード?」
利き酒をするなら、ごく少量でよく、口に含んだお酒は、用意された器に、出してしまいます。飲むなら、たっぶりついでいただきます。そんなこんなを楽しむうちに、「静岡・日本酒・H氏」という三題話で結ばれている、グルメ雑誌「ダンチュウ」のS編集者様が会場に現われ、またまた、盛り上がる。
銘酒「賀茂泉」の五代目は、私のバッグに、激しく反応されました。浅草の某店のオリジナル、甲州印傳をパッチワークしたものです。英語も堪能な彼は、外国人記者に、印傳の魅力を熱く語っておられました。
かつて知人に、日本酒の利き酒師の資格を取得してはどうかと勧められました。慎重に検討した結果~~私は日本酒について、知識を得たいとはまったく思っていないことに気づきました。パソコンやケータイ電話は活用しているし、さらに便利な機能があるなら知りたいが、仕組みは別に知らなくていい。そんな感じでしょうか。私が興味を持つのは「自分が飲んでおいしいと思うお酒」だけだなあと、実感いたしました。
というわけで、私の利き酒の基準は「自分が飲んでおいしいかどうか」のみ。一般化できない、認知のゆがみきった物差しだと思っておりました(そのくせ、『ダンチュウ』誌の利き酒のお仕事を引き受けたと言う、図々しい過去が)。
しかし本日、利き酒しつつ、「このお酒は、ぬるめのお燗で飲みたいですね」や「室温に戻ったところで飲んでみたい」などと世迷言をつぶやいてみると、蔵元の方が「そうそう、そのとおりです」と、激しくうなずいてくださるではありませんか。
思えば、私がふだん飲んでいるお酒は、神保町・甲子屋さん&四ツ谷・鈴傳さんという、「日本酒にこだわっている料理店」にお酒を納入している実力店。しかも両店の方々とは、みんな顔見知りで、私の好みをわかってくださっている。まさに「門前の小僧」であります。
特にお世話になったのは、「福美人酒造株式会社」の方。最後はこちらのバー・カウンターに陣取らせていただき、四方山話を。たくさん、学ばせていただきました。本当にありがとうございました。
「亀齢の綺麗」、私に似合いますでしょう? 「福美人」という銘柄も、とってもとっても似合いますでしょう?
帰宅時の私が、四合ビンを四本抱えていたことは、秘密。






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