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2010年2月 9日 (火):土偶に呼ばれて

津軽の遮光器土偶に心を揺さぶられる私が、この機会を見逃すわけにはいきませぬ。上野の国立博物館にて、土偶を鑑賞しよう。

朝10時半。会場には、たくさんの人。平日の朝から、土偶を拝見しようというのは、どういう方々でいらっしゃるのでしょうか。見たところ、老若男女、まんべんなく。
この博物館には、何度となく足を運んでおりますが、今回の雰囲気は、特別です。たとえば前回、「皇室の至宝展」に参りました折の、華やかな高揚感とは、ちがう。ずっしりと、静かで、なのに熱気がこもっている。
会場に足を踏み入れたとたん、むわっと全身を包まれた「静かな熱気」こそ、この展示の真髄なのかもしれません。

土偶は、祭祀や葬祭に使われたと思しく、「呪」とか「怨」とか、あるいは「鎮魂」や「豊穣」と、人間の本質にせまる感情をつかさどることを祈念して作られた工芸品です。
作り手にも魂がこもり、使用者にも(表面がつるつるになっていたりして、ただ飾っていたのではなく『使った』感のある展示品もある)、格別の魂があるわけで。

しかも、これらの土偶は、数千年の間に、日本全国各地で作られたもの。強烈な磁場が発生するのは当然でしょう。あちこちでスパークや親和が行なわれているような。オカルティズムとは太い一線を引いておきたい私にすら、何事かが感じられてしまう、この場。

展示会に行くと、ポストカードその他を購入するのが恒例ですが、今日は「連れて帰ってはいけない」という気がして、何も買わず。(ちょいとビジネス、下手ね。バレンタインデーが近づいておる。『土偶チョコレート』があれば、売れたであろうに。顔がハート型だということで名高い土偶の、チョコレート製のフィギュアがあれば買ったのに)

会場を出て、さて、どうしよう。仏教美術の常設展を拝見するも、土偶の磁場に引きずられている身には、つらい。まずはランチでしょう。仏教美術→ガンダーラ→インド料理でしょう。ともあれ、アメ横の一角にあるインド料理店にて、カレー・ビュッフェのランチ。カレー四種にサラダバー。焼きたてナン。

お店を出て、ウロウロ。激安アウトレット店にて、ランニング・グローブ(走るときの手袋。私は、日本語で、そう呼んでいますぞ)を、320円ほどで、2つ買う。その15分後、スポーツ用品店で、同じ手袋が、2100円で売られているのを確認す。

さあ、次は、何をしようか。ここが思案のしどき。私の人生は「モノを書く」ためにあり、すべては「モノを書くのにプラスになるか、マイナスになるか」という価値基準で判断されるのでございます。本日は、さっさと帰宅して原稿に取り組む(つまりアウトプット)べきか、何かを得るべく動いてみるか(つまりインプット)。
答えはすぐに出た。上野「鈴本演芸場」の昼席へ。馬楽師匠の素人弟子である私には、本来、「寄席でゲラゲラ笑う」という行為は、許されておりません。今宵は、おしのびだ!

昼席がはねたのは16時半。さあ、どうしよう。とりあえず近くの書店で本を買い、コーヒーを飲み。気がついたら、鈴本演芸場の「夜の部」の開演が近づいておる。よっしゃ、行きましょう!

というわけで、上野三昧の一日でした。

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2月 9, 2010 落語 |

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