今日はラーメンの話である。しかしカテゴリーはマラソンである。
「ラーメンを食べに行きました」
文字にすると簡単ですが、そこへと至るには、数多の条件の折り合いをつけなくてはなりません。
①翌々日が晴天である ②夜に外食や宴会の予定がない ③長距離走ができる体調である ④非常に空腹だ ⑤ラーメン後24時間は、人に会う予定がない
一センチ近い厚みのチャーシューが、六枚(か七枚)。ニンニクのすりおろし。ギトギトのスープ。通常のラーメンの量の二倍はあろうかという太麺(三分の一でとお願いしても、通常のラーメンより多い)。
これだけ食べたら、走らないわけにはいきません。とはいえ、胃にずっしりときますから、当日や翌日ではなく、翌々日に長距離をゆっくり走るトレーニング「LSD」ができる状態がベストなのです。
そもそも私は、麺類が苦手です。パスタは今年に入って、一度だけ食べました(渋谷のタロス、雲丹と浅蜊の絶妙なバランスにしびれつつ)。うどんを最後に食べたのは、いつだったか、思い出せない。お蕎麦は、某店と某店と某店、いずれも蕎麦好きが「ううむ」とうなる名店のものを。
ラーメンというものは、よく、わかりません。日本酒をほとんど飲んだことのない人に、今、私が手にしている「スペシャル英君」(四ツ谷・鈴傳さんの限定販売品。一升瓶3千円は、驚きのコスパ)をおすすめしたら、「おいしい!」とは思うでしょうが、その希少性、独自性は理解できないのとおなじです。
でも、このラーメンは。
ラーメンというよりも、その店名を冠した食べ物だという名言があるのですが、そのとおりだと思います。
私はラーメンを食べたいんじゃない。この店の、この料理を、食べたいのです。
どこに惹かれているかといえば。太麺のもっちり。野菜と麺とギトギトなスープのマリアージュがかもしだす、とろりんとした食感。
チャーシューも絶品です。口に含めばホロリと崩れ、しかし、私は豚肉ですと主張する意気込みを失わない、頑固者。豚肉だけが持つ、ほのかな甘みを凝縮したような、じんわりと残る後口。
それから。このラーメンを食べると、明らかに、元気が出ます。店主に言ったら「ええっ、そうかなあ?」と首をかしげていらっしゃいましたが、毎日これを食べている方には、効果が実感できなくて当然です。
外食は基本的に和食、しかも野菜と魚が中心。炭水化物は「一日でおむすび一個程度」。べつに我慢しているわけじゃなく、走り始めたら、スィーツも炭水化物も、興味がなくなっちゃったの。肉も、そんなに食べたいとは思わない。そんな私が、このラーメンを食べれば、元気倍増は当然でしょう。
さて、人生は「出たとこ勝負」の私ですが、マラソンに関しては、コーチやトレーナー、お茶の水カイロプラクティックの上原先生から、アルコール依存症治療が専門の某精神科クリニック院長まで、さまざまな専門家にアドバイスをいただき、綿密なスケジュールを作成しております。
で、ハードなトレーニングの前々日に、このラーメンを食べるというのも、わが「マラソン・スケジュール」の一部なのであります。
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