半畳ほどのスペースに大人が四人。その狭さもまた、楽しい桝席にて、お相撲の観戦です。13日目とあって、取り組みは白熱、満員御礼です。
本日の勧進元は、某夫妻様。そして雪国からお越しの某様(緑川のお酒&酒ケーキありがとうございました。財布の中身の補充を忘れ、お世話になっちゃって、すみませんでした)。両国駅で待ち合わせ、いざ!
のぼりのはためく光景は、何度見ても、胸が躍ります。最初に地下の食堂でちゃんこを食べてから、お茶屋さんに顔を出します。お茶屋さんとは、桝席のチケット取扱所であると同時に、さまざまなお世話をしてくださるところ。
注文したお弁当を運んで来たり、時折「お飲み物は?」と注文を聞きに来たり、荷物を預かってくれたり。
この「くれたり」の恩恵にあずかれるのは、某ご夫妻のおかげ様です。本当にありがたいことです。
私の隣に立つお相撲さん、体重は私の三倍あります。筋肉質でひきしまっているから、それほど重たいとは見えないのでしょうね。ちなみに「山本山」関の体重は、私の五倍以上。
国技館名物、地下の工場で作っている焼き鳥を食べ、お弁当を食べ、ビールを飲むうちに、取り組みは進む。あらら花籠部屋のお二人は、二人とも、土がついたよ。せっかく大声を出して、声援を送ったのに。
でも写真の某お相撲さんは、本日も勝って、五勝二敗で勝ち越しです。めでたや、めでたや。このようなお相撲さんに、私もあやかりたい、あやかりたい。へっへっへ、そのとおり、そのとおり。なんだいお前さんは、もうおぼえたいのかい。へいへい、じゃあご隠居、わっちは脇ぃ行って、ちょいとやってきますんで。
おっと、ここは国技館、高座じゃないよ。ないんですけれどもね、今日は、とんでもない偶然が。なんとわが馬楽師匠も、お相撲を観戦中なのです。しかも桝席でご一緒している三人は、私以上に、師匠とは長い長いおつきあい。
「それにしても、師匠。三日連続で、お会いしておりますね」
「おうおう、そうだな」
初・国技館の某様は「大人の遊びだ」と感心することしきり。たしかに東京ドームでは、缶やペットボトルが持ち込み禁止ですが、ここでは客席に、瓶ビールが林立しています。安全対策は、場内アナウンスで「モノや座布団を投げるな」と繰り返すだけ。
お相撲ライブの楽しさは、まず、「たくさん人がいる!」。会話、野次、ビールを注ぐコポコポという音が一体となった、ざわめきに包まれています。そのざわめきを切り裂くように、お相撲さんの体と体のぶつかる「ピシッ!」や「バシッ!」という音が響きます。まさに裂帛の勢いです。
そして、におい。焼き鳥やお弁当だけじゃない。前の桝席にいる家族は、ポテトチップとおせんべいとイチゴを食べています。飲み物はビールとオレンジジュースです。斜め前では、ミカンとチョコレートとピーセンとイカクンと熱燗です。そこに、お相撲さんのびんつけ油の甘いかおりが、ふんわりとブレンドされています。
細部にまで、小技がきいているところも、好き。卵焼きには「国技館」の焼印が押され、ビールのプラスチックコップは、お相撲さんの名前と似顔絵と、スポンサーの名入りのオリジナル。焼き鳥に添えられたお手拭には「国技館みやげ」の文字も。
さて13過ぎから観戦を始め、ラス前の「朝青龍/琴欧州」戦は、18時前。この長時間が、あっという間に過ぎるのも、ライブの楽しさ。座布団の変化を見ているだけでも、楽しいよ。
土俵の脇では、次と、その次に闘うお相撲さんが、座布団に座って順番を待っていいます。午後の速い時間に取り組みを終える力士は、薄っぺらいせんべい布団。十両になると、ふっくらと厚い紫色の座布団。そして幕内は、それぞれのオリジナルデザインのマイ座布団を、付け人にかつがせています。
そうそう、たとえば把瑠都と安美錦が間合いをはかっているときに、次の次の朝青龍が現われると、場内が沸いて「飲みすぎるなよ!」と野次が飛んだりする。それもライブならではの、お楽しみ。
さて結びの一番。同席の某ご夫妻様は、そわそわ。何しろ実は、宮城野部屋の後援会メンバーでいらっしゃるお二人です。しかし白鵬が土俵際に立ったとたん、奥様が「あら。なんだか疲れているみたいね」。お言葉どおり、ころりと土を身にまとう白鵬。場内に歓声が響き渡り、座布団が舞う(本当は禁止ですよ)。ああ、がっかり。
こっそり書き付けておくと、私は朝青龍、好きです。ヒールに徹しているのもいい。お酒を飲みすぎる~~そして翌日は勝ってしまう~~のも、他人事とは思えない。琴欧州がコロリと土俵にひっくり返った瞬間のガッツポーズに、不快感をおぼえる人も多いでしょう。でもそれは、不器用だからだよと、「電話を一本かければ欠かずにすむ義理を、わかっていながら、なんで欠く」と人に言われ、自分でもそう思う私としては、弁護したくなる。
朝青龍の一挙手一投足に、歓声が上がるのを見ていると、嫌いでも、好きでも、「目を放せない」力士なのでしょうね。やっぱり必要な人材だ。












